加賀市弓道協会弓道教室感想文ページ・H24




『弓道を始めて思ったこと』
(加賀市弓道協会「弓道教室2011年冬」受講)

H24.10.24
加賀市弓道協会 中谷 憲保


 最初、私が弓道を始める時、この歳から始めても大丈夫だろうかという不安な思いがありました。私は既に37歳でしたし、ほとんどの方は学生時代に始めてその延長戦上で続けているのだろうと思っていたからです。
しかし、弓道教室初日に私の周りにいた生徒は、老若男女を問わず幅広い年齢層の人達でした。
そしてほとんどの方が今まで弓道経験のない全くの初心者で、私と同じ一から始める人達でした。その時、それまで抱いていた不安は取り除かれました。
そして、この人達と一緒に最後まで弓道教室を受講しようと決意しました。
 しかし、弓道教室が始まると、私が思っていたよりも覚えることが多く、特に礼節に厳しいことに驚かされました。
弓道とは矢を番え、弓を引き、的を射るという単純な動作の繰り返しを行う武道だと思っていたからです。弓を引くにも射法八節という決った動作があり入場から退場までの歩き方や目づかい、立ち方、座り方等、実に難しく奥の深いものだと知りました。
たとえばいいかげんな足踏みや胴造りでは、的中に影響するのは勿論でしょうし、美しくありません。甘い考えでは全く上達しないでしょうし、場合によっては大きな事故をも引き起こしかねないと思いました。
先生方から色々なアドバイスや注意をいただいて、頭の中でそれを理解したつもりでも、身体はなかなか思うように動いてくれませんでした。何度も同じことを注意され、よくない射癖が直らず戸惑うこともありましたが、地道に努力していくしかないと思いました。親身に教えていただいている先生方のためにも、その気持ちに答えたかったからです。
 その後、私は無事に弓道教室での課程を修了し、それから出来る限り道場に通い、いくつかの大会に出場し、審査も受けました。
 弓道を始めてからこれまで、楽しい思いや辛い思いがありましたが、すべての経験が自分自身のためであり、貴重な経験をしたと思っています。「継続は力なり」といいますが、これから先も弓道を続けて、もっと上を目指していきたいと思います。


『弓道教室を受講して』
(加賀市弓道協会「弓道教室2011年冬」受講)

H24.10.24
加賀市弓道協会 田ア 宣昭


 弓道教室受講から10ヶ月が過ぎました。
受講の動機は、矢が弓を離れた瞬間、心はどの様な状態なのか知りたい、的に神経を集中して他の事は一切考えない、この心のコントロールにより、もっと自分の心を磨いていけるかもしれないと思ったからです。
私の人生はスポーツと共に歩んできた。
トライアスロン、100kmマラソン、少林寺拳法と体力の限界に何度も挑戦してきました。
 スポーツを通して精神力を鍛えてきました。
もし心が野球のボールのようなものであるとすると、外側から球の中心を目指して努力してきました。それに対して弓道はメンタルなスポーツと考えています。つまりボールの中心から外側へ向かって精神力、心を鍛えていく、そのようなスポーツではないかと考えています。
離れの瞬間は、もちろん的は見ているが心にはなにもない無心の状態となる。座禅は悟りを求めて欲望や執着を捨て去る行為でありますが、ここに弓道は立禅と言われる所以ではないでしょうか。少林寺拳法に
心身一如という言葉がありますが、これは精神と肉体は切り離すことのできないものと言うことです。これはどのスポーツにも当てはまる言葉であり、弓道の目的は矢を射るという動作を通じて体を鍛え深く平静な心の状態に達することではないかと考えます。
 新渡戸稲造は「武士道」のなかで、ゆるぎない信念と高い向上心を持った人をサムライと呼んでいます。現代においても多くの日本人はサムライなのです。
 サムライが弓道を修練する、これはごく自然なことであり、これを通じて自分を律することが大切ではないかと思います。