『六段拝受の栄を受けて』
監 事
川端 修
7月5日に全日弓連の審議会において審議の結果、図らずも六段推薦の栄を賜り粛然悚然の念でいっぱいです。内報を得た直後から全日弓連のインフォメーションを通じてか多くの弓友の方々からお祝いのお言葉を頂き誠に有難うございました。日が経つにつれ特段の尽力や優秀な技術もなく後進の育成に乏しく、推薦の主旨や基準なるものに遙かに遠い小生に「弓道人に相応しい品位を保つよう努めよ!!」という提励憤発の意と受けとめるようになりました。
昭和46年に小松工業高校に赴任し部員の熱意に絆されて素人顧問となり馬齢を重ね今日に至りました。想いでの一つは連続真夏日が53日も続いた昭和60年全国高校総体(会長:家弓鐵矢)の行啓で皇太子殿下、同妃殿下、紀宮殿下を県武でお迎えし弓道御観戦の競技委員長として努められたことや総合開会式で全国の選手団2300人を代表して弓道選手が宣誓の大役を務めたこと、また「県高体連弓道30年のあゆみ」や「根上弓道場開設30周年のあゆみ」の記念誌発刊に携われたこと等々を懐かしく想います。
阿波研造弓聖語録に『道を説く人・道を知る人・道を行う人』とありますが、これからも自分の弓道理念を考えながら自分のために努力を続けることが最も大事なことで、特に他人と比較しないで自分で求めた弓の道は自分で開拓するだけの価値ある道と信じ、求めた道に向かって精進する以外の何ものでもないと思います。地位が人をつくると言われますが正に六段の地位を與えられた以上、人間性に磨きをかけ名に恥じない人間形成を一意専心でまいる所存です。観心と言いますか、如何なる時でも自分を見つめて自分の行ってきたことに自信を持って臨み、技術に倫理はないが道には倫理が伴い「射は進退周還必ず礼に中り」というのはそれであると思っています。最終の目的は人づくりにあることだけは常に念頭に置き、弓をもって人を導き真心をこめて弓を射ることに心掛ける次第です。今後とも弓友各位の変わらぬお付き合いとご教示を賜りますようお願い申し上げます。
(H25.9.24)
注:「弓道石川」に掲載されたものをこちらにも掲載させていただきました。