『平成29年 年頭所感 「今、汝は画れり』
丁酉の新春を迎え、謹んでお慶びを申し上げます。年末年始にはほとんど降雪もなく、納射会や射初会もそれぞれの協会で滞りなく実施され、良い年をお迎えされたことと拝察します。平成29年1月吉日
石川県弓道連盟会長
水橋 美喜夫
年が改まることで、心身ともに引き締まる気がします。古来、わが国では新年になると皆が斉しく生まれ変わるという考え方があるようです。一つ歳が増えるのではなく、リセット・リニューアルされる、宇宙に存在する生命がすべて新しく甦る、生まれ変わって若返る、それが元旦である、とされています。この考え方は素晴らしいと感じました。人間の体にはおよそ60兆個(異説もある)の細胞があり、日々生まれ変わり(若返り)およそ6年ですべてが新しい細胞に入れかわっていると言います。古来の考え方は的を射ています。
さて、本県連盟が当面する大きなプロジェクトとして連盟創立70周年記念に関わる諸事業があります。その一つは「記念誌の発刊」であり、もう一つは「全日本弓道遠的選手権大会の開催(誘致)」です。
記念誌の発刊については、昨年末までにかなりの原稿が編纂委員会に届いており、それは順次連盟ホームページ(会員用)に掲載されています。本年末の印刷開始までに時間的な余裕もありますので、どなたでもご覧いただき、ご意見等があればご遠慮なく連絡いただきたいと思います。
もう一つの全日本遠的選手権大会についても、昨年末開催の地連会長会議で平成30年度での本県開催希望を表明し、柴田全弓連会長ほか出席した全国の地連会長からご承認をいただいたところであります。今後は、会場予定地の石川総合スポーツセンターでの実施に向けて、付随する諸課題をクリアしながら準備を進めていきたいと考えています。
いずれにしても、会員の皆様方のご理解とご協力を抜きにしては達成不可能であり、改めて、ぜひともお力添えをよろしくお願いいたします。なお、この他70周年記念にふさわしい事業と思われるご提案があれば、審議のうえ逐次、平成29年度から30年度において対応していきたいと思いますので、併せてどうぞよろしくお願いいたします。
一方、(公財)全日本弓道連盟においては、既に制定した改革大綱に則り、着々と新しい事業が進められているところですが、来年度からは公認資格の認定制度が始まります。公益財団法人の趣旨として、すべての事業が「公平・公正・公明」であることが求められています。この一環として、今後は地方・中央の別なく、大会の審判委員、審査会の審査委員、講習会の講師になる人は公認資格認定者に限定されることとなります。さらに、(公財)日本体育協会が実施している公認スポーツ指導員資格ともセットとなります。本件は、昨年末に私から概要を連絡しましたので詳細は割愛いたしますが、大きな改革の一歩と言えます。
ここで年頭の所感として、以前から好きな言葉を紹介します。標題の「今、汝は画れり」(論語)です。気分的に落ち込んだ時に、この言葉を思い出して自分に喝を入れてきました。甘え、言い訳、妥協、あきらめ、そこからは可能性・飛躍は生まれません。自分で自分の限界をつくるな!と2500年前の賢人が戒めています。そこで、今年の目標としては、昨年掲げた「基本・ワクワク」をもう少し深堀りしたいと思います。特に、苦労、逆境を超えての達成感を目指したいと思います。まさに、画らない、決めつけないで、コツコツと着実に、それは自分に克つことへの挑戦です。
終わりに、今年の干支「丁」は成長を意味し、「酉」は、収穫した果実等が成熟した状態、そこから酒を抽出するという意味と言われています。おいしいお酒を酌み交わして談論風発し、明るく楽しくワクワクする弓道へのアイデア談義に花を咲かせたいものです。