平成31年 年頭所感
 『神仏にはお願いではなく、感謝を申し上げるのが基本』

平成31年1月吉日   
石川県弓道連盟会長   
   水橋 美喜夫   
                               
 皆様明けましておめでとうございます。
 和暦年号の「平成」が終焉を迎え、新たな年号の胎動が始まる西暦2019年。「己亥(つちのと・い)」の新年にあたり、県連会員の皆様には幸多き素晴らしい年となりますようお祈りいたします。
昨年は県連創立70周年事業の締めくくりである第69回全日本弓道遠的選手権大会が成功裏に終わり、大きな達成感につつまれました。天の時、地の利、人の和に恵まれたこと、それらのすべてに感謝いたします。
 30年前に時計の針を戻せば、当時は「いしかわ国体」の開催に向けて県連が一丸となっていました。講習会が頻繁に実施されましたが有り難いことでした。また、パソコンなどは身近になく、かろうじてワープロが普及し始めた頃で、当然現在のような携帯電話もスマホもありません。肩に担ぐ重量感のある携帯電話をご存知の方も少ないと思います。いわゆる2000年問題やノストラダムス騒ぎも今では懐かしい記憶になりました。
この間、阪神・淡路大震災、東日本大震災に加えて能登半島地震を経験しました。禍福は糾える縄の如しと言いますが、日々の平穏に安堵しつつ、様々なハプニングにも迅速かつ適切に対応できるよう、日頃から備えることが大事だと実感しました。
 県連の足跡については先に発刊した70周年記念誌にまとめたところですが、とりわけ近的選手権大会で初の天皇盃受賞が光ります。遠的選手権大会では既に優勝4回を数え、国体やねんりんピック大会でも何度も優勝を経験しています。昇段・昇格者も続出し、他県の先生方からは石川県弓道連盟の躍進は凄いな、と高い評価を受けるまでになりました。 ここは素直に喜びたいところですが、まだまだノビシロがあるはずです。
 さて、表題に掲げた言葉ですが、皆さんはどうでしょうか。初詣に出向いて、様々なお願いごとをされましたか。何もお願いせず感謝だけを申し上げたという方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。自分の目標を誓うならまだしも、個人的な利益願望実現を念ずるのは逆効果だということです。幸・不幸という人生のあらゆる場面や結果をまずは受け止めて感謝する、この程度で済んだことへの感謝を忘れない、それが成功への近道であり、それこそが真の幸福だという教えを私は気に入っています。「神仏を尊び神仏を頼まず(宮本武蔵)」「尽くして求めず」という名言も同義だと思います。
 現代は24時間あらゆる情報が溢れかえり、人工知能に代表されるデジタル化の急進で、5年後、10年後の世界はどうなっていくのでしょうか。各種ハラスメントが問題化する中、至誠と礼節を根本精神とする弓道はどのような社会貢献ができるのでしょうか。会員の皆様方には本年も県連の一層の発展のために格別のご支援をお願いし、感謝の心を忘れず、共に明るく楽しく豊かな弓道人生となるよう念じて年頭の挨拶といたします。